正直、こいつはやばいかも 将来的にいくつかの業界に多大な影響を与えるかも、っていうか既に与えてるし
ノボ・ノルディスクのオゼンピックは間違いなく、世界で最も話題にのぼる医薬品となった。本来は糖尿病治療薬だったのが奇跡の「やせ薬」へと変貌を遂げ、供給が限られているにもかかわらずその売上高は記録を塗り替え続けている。この快進撃はまだ始まったばかりなのかもしれない。
オゼンピックをはじめとするGLP-1受容体作動薬に、当初の想定を超えて広範囲に及ぶ効果があることが最近の研究で明らかになりつつある。減量を助けることで多くの疾患リスクを減らせるが、それとは別に心臓や肝臓、腎臓を保護する効果があるようだ。薬物乱用やアルツハイマー病の治療に効く可能性も指摘されている。
これはさまざまな分野の医薬品や医療機器メーカーにとって悪いニュースだ。例えば米国では死因トップの心血管系疾患の治療に、年間約2500億ドル(約37兆4400億円)が費やされている。血圧を下げる薬やバイパス手術、ペースメーカーなどがこれに含まれる。ウェルズ・ファーゴのアナリストはGLP-1受容体作動薬の影響で、こうした心血管系疾患治療の市場は2050年までに約10%縮小する可能性があるとみている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-18/S2QENDT1UM0W01?srnd=cojp-v2
以下の動画も参照してください。
以下も長いですが、参考にしてください
米経済を大きく動かすのはAIじゃない?今週は投資先のバイオテクヘッジファンドの投資家デーがNYCであった。話題はもっぱら今米で急速普及中の痩せる薬GLP1。これが米経済の形態を次の5年でガラッと変えかねない。既にWalmartの業績にも影響が。勝ち組と負け組がはっきり分かれる。今日はその考察。
この薬はGLP1 Agonistsと呼ばれるクラスの薬で実は糖尿病の薬。すでに長年、多数の患者に使われているので長期で使用しても基本安全であることはわかっている。よって普及も早い。 実際にこの薬を使って体重を減らした人が私の周りでも数人いる。皆、信じられられないほど体重を落としてる。 使っている人に聞いてみたら、要するに食欲がなくなるらしい。だからダイエットをするのが全く苦じゃなくなる。 アメリカ人は7割が肥満、3割以上が超肥満と言われてるから、いずれは国民の半分以上がこの薬を摂るようになるのかもしれない(今、既に9-10%の人が使っているらしい)。
これはどう言うことか? アメリカ人の太り過ぎはありとあらゆる生活習慣病の原因になってる。 つまり高血圧、糖尿病、高脂血症、メタボなどなど、病院や医者、薬に長年頼ることになる疾患者の数が圧倒的に下がることが予想される。 それだけじゃない。最近の調査によると、GLP1は腎不全や心臓病、睡眠時無呼吸症候群などにも効果があり、タバコやアルコール、ドラッグなどの依存症も緩和する効果があるらしい。 体重が減れば運動しやすくなるので、もしかすると運動不足による骨粗しょう症や痴呆症などにも長い目では効果が現れるかもしれない。 まさにミラクルドラッグ。 アメリカは他国に比べても対GDPの医療費がダントツで高い。 GLP 1の薬は安くないけど、肥満が原因の数々の疾患がもたらす入院や手術の費用に比べたら微々たるもの。 次の5年以内にこの完全右肩あがりのチャートが下がり始めることが予想される。
そうしたらその費用を他の経済活動に回せるはず。 これは私の想像だけど、経済全体としてはもしかするとAIの効果にも匹敵するような大きな追い風になるのではないか。 やはり、アメリカの経済成長は長期で期待できる要因が多々ある。AI、この肥満解消薬、核融合エネルギー、ウェアラブルテクなど。 でも誰もが全員追い風を受けるわけではない。勝ち組と負け組がどうしても出てくる。 次はそれを考察してみよう。 まず、すでにこの影響を受けて爆上げしてる株が2つある。 それはNVOとLLY. NVO(Novo Nordis)はデンマークの会社で、年初から48%上げてる。ヨーロッパですでに一番大きい会社になった。 NVOの薬はOzempic とWegovy。この2つの薬は全く同じ薬で投与量が違うだけ。 Ozempicは糖尿病の薬として。Wegovyは超肥満用の薬として認可されてるらしい。 私の周りでGLP1を使っている人達は皆このどちらかを使ってる。 LLY(Eli Lilly)の薬はMounjaro。これはNVOの2つよりさらに投与量が高いので副作用も強めだけど、もっとたくさん痩せられるとされてて、人気があるらしい。これは知り合いの薬局のオーナーさんに聞いた情報。 LLYは年初来67%の上げ。NVOもLLYも今日、史上最高値を記録した。 私は今年前半にWegovyを使って劇的に変身した友達を見てLLYとNVOの株をずっと狙ってたんだけど、なかなか下がってくれなくて買い逃した感じ。 やっぱり思った時に少し買っておくのは大事かも。 GLP1は飲み薬ではなく、週1回自分で打つ注射なんだけど、今たくさんの製薬会社が飲み薬で同じ効果を得られないかの研究で猛レース中。 どの会社が勝つのかは私には全く分からないけど、もし飲み薬が出てきたら指数関数的に普及しそう。 これらの糖尿病用の薬は大きな製薬会社の独壇場。でも肥満関連では、小さなバイオテクの会社たちはメタボの肝臓を治療する薬でメガヒットが近い将来出るとヘッジファンドのマネジャーは言っていた。 その関連でメンションされていた株はMDGL, BKTX, TERN, AKRO, ETNB, IVA。 でも私は自分がよく分からない株を買うと失敗する事が多いのでパス。 ちなみに、GLP1は今の所、糖尿病でない人には簡単には保険が効かない。 保険が使えないと1ヶ月分で500ドルから1000ドルする。 しかも使うのをやめると生活習慣を変えない限り、体重は割とすぐに戻ってしまうらしい。だから痩せていたいなら永遠に毎月払い続ける事になる。 保険の適用が義務付けられるようになれば月数十ドルになるらしいけど、それまでは主に富裕層しか手が出せない薬。 痩せて得られる健康を享受できるのも薬に払うお金の余裕がある人、ということになる。 これは医療保険会社にはどういう影響が出るのか? 主な上場会社はCVS, CI, UNH, HUM, WBAなど。これらの会社が国民の肥満度が下がり、医療費削減の好影響を受けるようになるまではおそらく数年かかる。 でも上記のようにこの薬は今の所、富裕層でないと使いにくい。実際は肥満度は低所得層の方が高いのだし、不公平感が半端ない。 だから糖尿病でない患者でも保険が効くようにする圧力がかかり、肥満減少の恩恵を受ける前に悪影響を受ける可能性が否定できない。 もし保険適用が義務付けられて株価が下がったりしたら、いずれは恩恵を預かる未来が待っていると考えると、買いかもしれない。 でも処方箋の費用が上がっても、ある程度保険料を上げることでカバーできるかもしれないから、一筋縄では行かない。 Walmart CEOは10月10日のインタビューでGLP1の薬を飲んでいる人達の購買行動が変わったと報告した。食料やジャンクフードの売り上げがのびていない。
よってSuper Marketの株、WMT, KR, ACI, ARKO などには向かい風になりそうだし、COSTや TGTにも影響が出るかもしれない。 さらに、悪影響が出そうなのは痩せることを主な目的としたジムを経営する会社、例えばPTON, PLNT, LTH, CLUBなどには向かい風か。 ひょっとするとスポーツウェアの会社LULUやNKEにも影響が出るかもしれない。 でも今まで太り過ぎであまり動けなかった人達が痩せることでアクティブになり運動しだす可能性もゼロではないかも。 でもアメリカ人の性格を考えるとマイナス影響の方が強そう。 さらに胃を小さくして食欲を制限し、痩せる手術、Gastoric Bypassの数も減るだろうからそれを専門にしてたクリニックとか、睡眠時無呼吸症候群の人用のポンプを作る会社とか、薬物依存症の人用の療養所を運営する会社とか色々な所に悪影響が出そう。 逆に痩せるとみんな服を総とっかえしたくなるもの。だから服関連の会社の株はいいかもしれない。アメリカのファッションブランドといえばRL, LEVI, GPS, AEO, ANF, URBNあたりかな。 あとジャンクフードが要らなくなり、健康な食事がしたくなるそうだから、マクドナルドとかもまずいかも。逆にサラダバーチェーンとかはいいかも。 そういえばAMZNが健康食のWhole Foods Marketを買ったな。でもAMZNが大き過ぎて針が動かないかも。 風が吹けば桶屋が儲かる的に想像もつかない影響があちこちで出てきそうで、まだ大衆が気づいていないトレンドをいち早くキャッチできれば一儲けできるかもしれない。 そんなことをあれこれ考えるのも投資の楽しみ方。
https://twitter.com/maryoakleysan/status/1712708498125967783